金ちゃんの本音と建て前+plus

エス・デザイン代表のブログ

無欲の勝利vs欲の勝利

季節の移ろいより早く、大相撲秋場所(9月場所)は大関豪栄道の全勝優勝で

幕を閉じた。

カド番の場所で全勝優勝は、史上初めての快挙、大阪出身力士の優勝は、

なんと86年ぶりという記録に残るドラマティックな結末だった。

 

豪栄道関の優勝力士インタビューで、NHKのアナウンサーが質問を何度も

繰り返していたが、なんだかナンセンスな問いかけばかりのように見えた。

豪栄道関に優勝に関して今場所どのように臨んだか、いくら聞いたところで、

本人が優勝を目指して相撲を取っていたわけではないので、気の利いた答えが

返って来ようはずがない。

今場所の大きな目標は、カド番脱出だったのだから。

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                 Photo by 共同

そもそも横綱白鵬不在の今場所、場所前の話題は大関稀勢の里の綱取り、

それを横綱日馬富士鶴竜が迎え撃つ構図の稀勢の里場所になるはずだった。

大関豪栄道琴奨菊のふたりはカド番力士、優勝争いの蚊帳の外にいて、

賜杯から遠い存在、解説者、専門家からほとんど話題にもしてもらえなかった。

優勝が決まった後、テレビ解説の北の富士さんが、全く予想していなかったと

苦笑していたほどだった。

 

豪栄道関は10連勝したところで優勝を意識したと言っていたが、正しくは、

中日で8勝を上げ無事、勝ち越しを決め、カド番を脱出してひと安堵、

そこから続けて2つ白星を重ねた時に優勝争いをしていることに気が付いた、

というようなニュアンスではなかったか。

 

終盤戦に向かって一気にプレッシャーが押し寄せ、一睡もできない夜を

過ごしながらこれを克服し、ついに全勝優勝を達成したのだろう。

その喜びたるや計り知れない。

このような結果を、無欲の勝利と言うのかな、と思った。

 

豪栄道関とは対照的に、大きなショックを受けたのは稀勢の里関だろう。

4人いる大関の中で最も横綱に近い力士と数年にわたって期待を背負いながら、

豪栄道関の優勝で、唯一優勝経験のない大関になってしまったのだから。

また一からやり直し、である。

 

来る場所来る場所、綱取り綱取りと大相撲協会からでっち上げられ、

マスコミからも突き上げられ、ファンからも日本人横綱の誕生を切望され、

ゆっくり休む間もないのである。

プレッシャーと闘いながら、何度も綱取り場所に臨まなければならない日々、

本人は横綱になりたいのかどうかも分からない、もしかしたらやらされてる?

感さえある。

この状態では優勝を目指していても、本来のチカラを発揮するのは至難の業だ。

 

今場所、豪栄道関が無欲の優勝を達成したのであれば、次の九州場所

(11月場所)での綱取りは否が応でも周囲からの期待が膨らみ、

大きなプレッシャーとなって、重たくのしかかってくるだろう。

日本人力士の代表として横綱の座を狙う役に、今度は豪栄道関がなる。

横綱にならなければと、内面に芽生えてくるストレスを抱え迎える場所は、

さすがに無欲というわけにはいかないだろう。

横綱白鵬も復帰するとなれば、序盤から苦難の道は必至である。

 

即ち、無欲の勝利よりも、欲の勝利の方が何倍も何十倍も大変なことだと思う。

大相撲もそうだがプロスポーツは全て、欲の勝利が求められるのが常である。

 

我々小市民も仕事においては失敗が許されないし、結果を出さないといけない。

日常において無欲の勝利など、滅多にないのである。

無論、欲がないと成果は上がらないから、似たようなところはあるかもしれない。

 

もうひとつ、チームスポーツでペナントレースの優勝争いが決したプロ野球

とりわけ中々優勝が決まらないパ・リーグでは、ソフトバンク・ホークスと

日本ハム・ファイターズがしのぎを削っていた。

そして今日、ファイターズの優勝が決まった。

 

去る9月21日、ホークスとファイターズの天王山、2連戦の初戦を観戦した。

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        大谷投手のピッチング(ヤフオクドーム)

ファイターズの先発は、大谷翔平投手。

栗山監督は3週間くらい前から、この日の先発を決めていたらしく、

故障明け2試合ほど投球数制限をして登板、ピタリと合わせてきた。

写真はヤフオクドームで撮ったものだが、大谷投手のストレートは

この日の最速162km、ほとんどの打者が分かっていても捉えることの

できない剛速球、ヤフオクドームはため息で包まれた。

中軸打者がことごとく振り遅れ、かろうじて当たっても凡打の山。

ホークスのチャンスらしいチャンスは一度だけ、その時に取った1点のみに

見事に抑えられた。

 

これは栗山監督の、欲の勝利だな、と思った。

勝利への執念が勝っていたというか、大谷投手の力投に野手が応え、

ファイターズが一つになってホークスをねじ伏せる試合になった。

残念ながら、我がホークスの工藤監督は、策を打つことなく敗れた印象が

少なからず残った。

 

結局、次の2戦目もファイターズが制したが、先の先を見越した栗山監督の

大谷投手起用でチーム全員を奮い立たせ、ホークスに襲い掛かった采配が、

後に続く優勝争いのキャスティングボードを握るカタチになった。

 

その勢いのままリーグ優勝、栗山監督アッパレ、である。

 

3つ目に私事、手前みその話だが、無欲の勝利的な出来事があった。

先日、チームで設計を担当させて頂いた、有限会社 白糸酒造 様の

「仕込み蔵」竣工式があり、式典に出席した時のことである。

糸島を代表する酒造会社なので、市長をはじめ地元の名士の方々が

数多く招待されていて、その式典で、まさかのサプライズが。

 

盛大な式典が終焉に差し掛かると、感謝状贈呈というプログラムがあり、

社長より弊社がご指名を頂き、壇上で感謝状の表彰を受けたのである。

 

全く予測していなかったので驚いたが、賞状など久しぶりに頂いたので、

すごく嬉しかった。

無欲の勝利、設計チームで後日、打上げ、喜びを分かち合う予定にしている。

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最後に、9/24(土)ヤフオクドームリレーマラソンの結果報告をちょっとだけ。

我らがチーム「THIS IS IT」誰ひとりの脱落者もなく、無事完走して終えました。

 

めでたし×2!

 

苦しいランニングも回を重ねて、その痛みが心地よく感じるようになりつつあり、

ランニングハイと呼ぶまでには至らないが、また次の大会を狙っているのである。

 

スポーツの秋ですから!(^^ゞ

 

 

今回は隠れた10月の名曲、ミスチルの「安らげる場所」で締めます(^-^)/

      
Mr.Children - 安らげる場所