桜が見ごろを迎えている。
この写真、実は1本しか植えられていない桜を、地面から
快晴の空へ向かって、撮影したものだ。
あたりはビルに囲まれていて、その中でひと際、美しく、
たくましく、その存在感を放っていた。
こちらは、昨晩、友人たちと花見をしたそばで、
横向きに伸びる、枝ぶりのいい桜。
刻一刻と、花が開いていく様が、美しかった。
桜の花は、咲いて、散るまで、実に儚い。
一日のうちに、つぼみが芽吹き、花となり、
そして、たちまち散ってしまうのだ。
桜並木は、日本的な風景の中で、その代表格だろう。
一年のうち、二週間くらいの命、切ない運命である。
桜の花が最も美しいのは、八分咲きだと言われる。
満開の方が、ふわふわ浮きあがって綺麗に見えるが、
あとは散るだけの姿に、未来はないから、だろうか、
明日、満開になるはずの八分咲きが、より力強く、
希望を抱かせてくれるから、なのかもしれない。
なんだか、人間的である。
この桜たちは、昨晩、花見をした同じ場所を、今日、
クルマで通りがかったとき、一旦停止、撮ったもの。
昨日より、花が開いているのがよく分かるのである。
花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき
林芙美子さんの名句。
人生は、花が咲くのは短くて、苦しいことばかりだ、
という解釈になるのだろうか、それでは寂しすぎる。
桜は毎年、花を咲かせることができるのだから。
八分咲きのノリノリな感じで、上を向いて歩こう!
桜は咲いて、散る、のではない。
桜は散って、また花咲く生き物である。
人間も、そうありたいものだ。
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