書店では、来年のダイアリーやカレンダーが所狭しと売り場の一角を占めている。
こんな光景は例年10月頃から見るのが常だが、師走がそこまで来ているこの頃、
タイムスリップでもしたのではと思うくらい、随分と過去のように感じるのは、
僕の方がおかしいのだろうか?
さて、今回は今年始めた「じぶんイノベーション」(=自分革新)について
少しお話しする。
あくまでも自分ベースなので、誰と比べるでもなくアグレッシブに、
義務ではなく自由に、締め切りを設けずマイペースに、いずれ老後の楽しみに、
すべく自分磨きを試みていくこと、これが僕の「じぶんイノベーション」である。
「じぶんイノベーション」では、並行していくつかのことにチャレンジしていく。
並行して、とは、面白そうだと思ったらすぐ始める、ダメだと思ったらすぐ辞める、
別々の過程で複数のことをやっている状態、である。
その中のひとつ、アコースティックギターについて、本来まだ語る段階ではないが、
恥ずかしながらちょっとだけ紹介する。
ギターは、中学生・高校生時代に触ったことがある程度でいて身近な楽器だが、
改めて仲間を見渡してみると、バッチリ弾ける人はあまりいないようである。
ギターは大きく、クラシックギター、アコースティックギター、エレキギターと
種類が分かれるが、形状は様々、演奏の仕方、指の使い方、テクニックによって
異なる音色を醸し出す。
そんなギターを始めたきっかけは、自分の弾き語りで歌を歌ってみたい、
という単純で愚かな気持ちを、この際、解決したいと思ったからだ。
ご縁があり、ジャズギタリストの内山覚(サトル)氏に、月2回の個別レッスン、
ギターを教えてもらえることに。
内山氏は、ボストンに留学、バークレー音楽大学(Berklee College of Music)で
ジャズギターを専攻、現在、福岡を中心に演奏活動を行うプロのギタリストだ。
(HPのURL http://satoru629mao.web.fc2.com/ )
内山先生のご指導のもと、ギターを触ることに慣れてきたし、 音を出すこと、
音楽を聴くことが日常になり、最近は、それが楽しくなってきたのである。
レッスンを始めてから半年が経過した。
光陰矢の如し、いや光陰矢の如し過ぎ、である。
小生のギターの腕前はというと、まだデビューには程遠い状態である。
弾き語りって難しいんだなあ、と未だ自由に操れない六弦をつま弾いている。
一方、楽器店でギターを購入したり、その後も通ってはストラップ、カポタスト、
ピックなど選んだり、メトロノームのアプリをスマホにダウンロードしたり、
明らかに今までより楽しい日々を過ごしている気分になっている。
ギターのために聴く音楽は、いわゆる洋楽の名曲、ザ・ビートルズにまで遡って
60年代~80年代のナンバー、それを今ではネットで簡単に検索、購入できるし、
便利な時代になったものである。
いやはや、買うは易し、弾くは難し、である。
さて、内山先生のレッスンでは、そのうちの何曲かを教えて頂くこともあり、
例えばカーペンターズの「Close To You」という楽曲などがある。
みなさん、この曲をご存知だろうか?
おそらく聴いてみると、必ず聴き覚えのある曲のはず。
ところが邦題で探しても、それは一向に見つからない、
「Close To You」、直訳すれば「あなたのそばに」あるはずなのに。
「Close To You」はカーペンターズのベストアルバムの中で見つかった。
そもそも「Close To You」は、彼らの既発表アルバムのタイトルである。
その邦題は「遙かなる影」?
「Close To You」じゃなくて、「遙かなる影」とな!
即ち、邦題で「Close To You」は存在しない、存在するのは「遙かなる影」。
やられた、翻訳家の仕業である。
カーペンターズの楽曲と邦題、他にこんなのもある。
・We’ve Only Just Begun → ・愛のプレリュード
・I Need To Be In Love → ・青春の輝き
・Ticket To Ride → ・涙の乗車券(The Beatles カバー曲)
「Close To You」は(They Long To Be)を含む、もっと長いタイトル。
・(They Long To Be)Close To You → ・遙かなる影
といった調子である。
なぜか邦題は、原曲全体の歌詞を見ても、どこにも書いてないような言葉で
あったりする。
「Ticket To Ride」は、汽車の乗車券?とまでは想像できるが「涙の」を
付加することによって、グッと雰囲気が変わる。
「愛のプレリュード」、「青春の輝き」、「遙かなる影」という邦題に至っては、
凡人には思い浮かばないようなフレーズとその言葉に漂う情緒が含蓄されて、
とても趣深いのである。
現代のようにインターネットが普及していない時代、翻訳家たちは、
洋楽を日本に紹介する際、その発売の時差を利用して、原曲の題ではない
ピッタリの邦題を付けて市場へ送り出していたのに違いない。
原曲のタイトルを、故意に思いっきり変えているが、よくよく考えてみると
洋画のタイトルや、洋書の翻訳タイトルにしても、そうなのかと納得する。
そんな郷愁に想いを馳せながら、僕は今もなお、不完全で不調和で不器用な
「Close To You」をつま弾いている、主に事務所で。(^^♪
アコースティックギター演奏、まだまだ下手っぴーなおかげでスランプ知らず、
いや、全てがスランプ?飽き足らず、である。
むしろ伸びシロがある(と信じている)ので、来年はどこまで上達できるか、
自分に期待しているところである。
「じぶんイノベーション」は、ギターの他にも持続可能なものを続けている。
そのうちにお話しするかもです。
こんな風に、弾けたらいいなあ~♩