昨日の麻生首相の所信表明演説について、今朝(9/30)の朝刊に
その全文が記載されていた。
政治への関心が薄れている昨今において、一国のリーダーたる
麻生首相が、一体どんな演説をしたのか少しだけ関心が湧き、
結果的には退屈な文章を読んでみた。
就任に当たって・・・ここが一番迫力があったと思う。
(抜粋)申し上げます。日本は強くあらねばなりません。
強い日本とは、難局に臨んで動じず、むしろこれを好機として、
一層の飛躍を成し遂げる国であります。
中略−そしてわたしは決して逃げません。(抜粋−終)
首相の言葉として、その是非は評論家に任せればよいのだろうが、
首相の主張する「日本の底力」には、強引なイメージが含蓄されている
ように思う。
次回、総選挙で、めでたく政権を継続できたとして、国会衆議院議員の
過半数以上の勢力がこのスローガンについていけるのだろうかと、
率直に心配になってしまうのだが・・・。
あと、「逃げません」というのは、過去2代の総理辞任を揶揄する発言にも
聞こえるが、国民に対して与党内の愚痴を言う必要はないと思った。
国会運営
内容は、民主党に向けて述べられたものに過ぎず、国民へのメッセージは
残念ながらなかった。
民主党さん、議論を延び延びにしたりとか、邪魔しないでね、という感じ。
着実な経済成長
(抜粋)緊急な上にも緊急の課題は、日本経済の立て直しであります。
第1段階は、景気対策です。
今年度内に、定額減税を実施します。家計に対する緊急支援のためで
あります。米国経済と国際金融市場の行方から目を離さず、実体経済
への影響を見定め、必要に応じ、更なる対応も弾力的に行います。
第2段階は、財政再建です。
国・地方の基礎的財政収支を黒字にする。2011年度までに成し遂げると、
目標を立てました。これを達成すべく努力します。
第3段階として、改革による成長を追い求めます。
「新経済成長戦略」を強力に推し進めます。
強みは何か。勤勉な国民であり、優れた科学と技術の力です。
以上3段階について申し上げました。めどをつけるには、大体3年。
日本経済は全治3年、と申し上げます。(抜粋−終)
以上が、適当に省略したところであるが、小泉政権が5年以上かけて
郵政民営化を達成した前例から見ても、大きな花火と思われる。
この調子でいくと、ブログが長々となってしまうので、簡単に。
暮らしの安心
年金、医療、若者の自立支援、教育、食の安全など
簡素にして暖かい政府
政府規模・地方自治体の縮小・効率化について
地域の再生
知事や市町村長に権限と責任、地域の活性化、地方分権
持続可能な環境
地球温暖化問題の解決
最後に、国際問題について、気になったので、少し表記する。
誇りと活力ある外交・国際貢献
(抜粋)日米同盟の強化。これが常に、第一であります。
隣国である中国・韓国・ロシア、アジア・太平洋の諸国との共栄。
これが、第二です。
地球規模の課題、テロ、温暖化、貧困、水問題に取り組む。第三です。
若い民主主義諸国に助力を惜しまない。第四です。
そして第五に、北朝鮮への対応です。(抜粋−終)
僕の個人的な考えではあるが、そもそも国会議員の仕事は、国民を代表して
国を運営することは言うまでもないことで、諸外国と共に地球、世界の安定と
繁栄・発展に貢献するという役割があると、勝手に思っている。
このような考えは、漫画「加治隆介の議」(弘兼憲史・作)に影響されたことも
あったりするのだが、外交については、首相の仕事の中でも責任の大きい
ところではないだろうか。
所信表明というものは、そもそも幕の内弁当のように、なにがメインの
おかずかどうか、分からないようなものでは困ると思う。
自分が首相に就任した以上、なにがなんでもやってみせるという目標を
掲げる姿を、国民は見たいと思っているはず。
あれもやるし、これもやる、というような玉虫色の表明では、何かさびしい。
選ばれし者の底力を、麻生首相に発揮していただきたい。
僕のような小市民がモノ申すのもナンナンダけどね・・・。(高田純次 風 )[E:bleah]