金ちゃんの本音と建て前+plus

エス・デザイン代表のブログ

信頼残高という名の財産

スティーブン・R・コビー著の「7つの習慣」という本をご存知だろうか。

この本の中にある一説に、信頼残高についてのお話がある。

本の一部を引用したいと思う。

 

銀行口座がどういうものであるかは、誰でも知っていることだろう。

口座にお金を預け入れることで貯えができ、必要に応じてそこから

引き出すことができる。

それと同じように、信頼口座つまり信頼残高とは、ある関係において

築かれた信頼のレベルを表わす比喩表現であり、言い換えれば、

その人に接する安心感ともいえるだろう。

礼儀正しい行動、親切、正直、約束を守るなどの行動を通して

信頼残高をつくっていけば、そこに貯えができる。

残高を高めることによって、必要とあらば、その信頼を何度でも

頼りにすることができる。

些細な間違いを犯しても、信頼のレベルや精神的な貯えがそれを

補ってくれる。

こちらのコミュニケーションが多少不明瞭でも、こちらの言いたいことを

汲み取ってくれるだろうし、言葉ひとつで気を悪くするようなことも

ないだろう。

信頼残高が高ければ、コミュニケーションは簡単で、効果的で、

即時にできるものである。

しかし、無礼な態度を示したり、相手の話に途中で口を挟んだり、

あるいは過剰反応をし、相手を無視し、自分勝手に振る舞い、

相手を脅かし、相手の生活をこちらの意のままにしようとするような

行動が日頃から見られれば、ゆくゆくは信頼の残高不足を起こし、

硬直的なコミュニケーションしかできなくなってしまう。

それはまるで地雷の上を歩いているようなものだ。言葉ひとつひとつに

気を遣い、相手の顔色をうかがいながら、一語一句言葉を選んで

話をしなければならない。

そのために緊張が高まり、そして、陰口がはびこるようになる。

やがて、ご機嫌とりをしたり、政治工作に走ったり、自分の立場を

守ることだけに集中したり、といったことが蔓延する。

多くの組織にはこの現象が充満している。

 

さて、先日この話を象徴する出来事が実際に起きた。

僕が所属するL社のお取引先との関係において、この考えが

全く一致するようなトラブルが起きたのだ。

原因は、お取引先と僕のコミュニケーションの行き違いによるもので、

完全に僕の失敗であった。

L社に対する社外からの信頼を失墜するような、危険な状態に陥ったのだ。

それを救ってくれたのは、H社長がお取引先の信頼口座に貯金をしていた

信頼残高であった。

その日のうちに、お取引先に、誠実に、正直に、素直に謝罪することにより、

燃え上がる前の炎を鎮火することが出来た。

全て、社長が貯えていた、信頼残高のおかげであった。

 

助かった・・・。

 

そして僕は、いきなりマイナスとなる信頼残高を負うことになった。

今後は、コツコツと借金を返すように、信頼を積み上げていかなければならない。

 

僕の課題が、ひとつ増えた。