金ちゃんの本音と建て前+plus

エス・デザイン代表のブログ

どん底

東国原英夫 宮崎県知事の書き下ろした本のタイトル。

2000年に音羽出版から発表された本の新装版である。

知事当選後、東ブームに乗って、再デビューした本だ。

「再チャレンジの原点がこの本の中にあった!」

そこには、芸人、そのまんま東の、謹慎1年5ヶ月の日々が

綴られている。

「むしろ、書くということは一般的に言われるように、

自分の考えを明確にし不定形で流動的な思索に形を与える

という機能がある。もし人前で発表し自分の考えを広めたい

という理由だけで書かれ、自分の思考を模索するという

理由がないとしたら、それは極めて空虚なものであると

言うしかない。」

彼のプロローグは続く。

「今回書くという行為によって改めて自己を確認し、

反省や将来の指標を自分の中に固定化させ

今後に生かしたいと考えている。」

何が言いたいのか、この文章だけではよく分からないが、

”今後に生かしたい”という想いが、現在の県知事という

新たなステージに繋がっているのか?

とてもユニークでいて、スマートな印象を醸し出している。

芸能界は華やかであるがゆえに、俗世間に生活する

僕たちには関係しないような、思わぬ落とし穴がある。

この本には、テレビ人であった彼が、その素行を

スクープされ、結果、芸人活動を謹慎しなければ

ならなかったいきさつであるとか、その間に自分の中で

変化するもの、しないもの、大切なもの、などが言葉にして

表現されている。

全部読みきった時、はたしてそれが、「どん底」と言うほどの

最低の時間だったとは、とても思えなかった。

彼は、人に恵まれている。

いつも支えてくれる誰かがいたり、励ましてくれる仲間がいる。

謹慎中に、飢えに苦しんだわけでもない。

結果、めっちゃオーライなのである。

彼はスポーツ万能であり、勉強することも苦にしない。

マラソンを2時間47分で走り、専修大、早稲田大に学び、

かとうかずこさんと結婚し、男女二児を授かった。

(2006年に離婚してしまったが・・・。)

ビートたけしの一番弟子であることに誇りを持ち、

上下関係をわきまえ、年長者には敬意を払い、

子どもたちと一緒に走り回って遊ぶ。

はたから見て、まじめで愚直な生き様のようでもあるが、

いつも一生懸命そうで、実はしたたかである。

49歳にして政治家になれたのは、運命だったのだろうか?

芸能活動を謹慎していたのは、彼が41歳〜42歳のころだから、

今の僕と同じくらいの年齢のときの話だ。

そういう意味では、とても参考になる本である。

彼については、感心するところがたくさん見受けられるが、

それでいて、「脇の甘さ」も露呈されている。

最近の週刊誌でも、いろいろとお騒がせネタを

提供し続ける彼は、将来にわたって、それを変えることは

たぶんできないだろう。

まったく憎めない現職知事さんなのである。

興味のある人、いらっしゃったら、読んでみてください。

おすすめは、いたしません(* ̄∀ ̄)"b" チッチッチッ。